｢性能の良い家は夏涼しく、冬暖かい。｣
聞き慣れたフレーズかもしれませんが、性能の良い住宅には住む人にとって
メリットになることが沢山あります。
など、性能の低い家に住むよりも住む人のカラダやメンタル、家計面にも嬉しいことだらけです。
居住空間や環境によって気分が落ち込む日がないように、
見た目だけでなく建物そのものの性能に着目した設計を施し、
大切な1日1日を快適に過ごすことができる住宅に住んでいただきたいと考えます。
私たちが設計を考えるとき、建築物の性能を示す｢数値｣には特に厳しい目をもっています。
業界専門用語のため、お客さまの中で知らない方も多く、
家を建てる際にその意味を理解している方はほんの僅かです。
設計者・施工者だけでなく、お客さま自身も新築をきっかけに性能面にも関心をもっていただき、
良さを実感してほしいと思っています。
特に以下の数値について私たちは重要視しています。
この数値をしっかりと見極めることが心地良い家づくりのスタートだと考えています。
断熱とは、その名のように｢熱を絶つ｣ことです。
熱は高い方から低い方に移動する性質があります。
そのため、夏は外からの熱を入れないように、冬は内の熱が逃れないようにすることが大切です。
それを担うのが断熱材＝熱を通しにくい材料です。
身近なものに例えると、フライパンの鉄部分と取手部分。
鉄部分は火の熱を通しやすいためかなり高温で触ることもできませんが、
取手部分が木などであれば料理するのに問題がありません。
熱さを感じることなく料理ができるのも、木が熱を通しにくい性質のためで
鉄から伝わる熱を木が食い止めているからです。
住宅の断熱も同じことで、家全体に断熱材を入れると熱の出入りが少なくなるため、
夏は外からの熱が入りにくく、冬は室内の熱が逃げにくくなります。
さらに、隙間をつくらず空気が出入りしないように気密をすることで徹底した断熱を行うことができます。
徹底した断熱は換気も計画的に行いやすくなります。
断熱材を入れても気密性能がなければたくさんの隙間から進入する空気によって室内温度の上昇・低下を感じてしまいます。
防湿気密シートや気密テープなどで隙間を減らし、室内の温度ムラをなくすことで断熱効果も期待できます。
断熱・気密性能を高めると空気の入れ替えが心配になる方も多いと思います。
もちろん、汚れた空気と新鮮な空気は定期的に入れ替える必要があり、
現在の日本の住宅では壁面などの吸気口から空気を取り入れ、
天井近くの換気扇で空気を排出することを1日中行う24時間換気システムが義務づけられています。
私たちは、断熱・気密性能を損ねることなく
熱の移動性質を利用して暖かい空気を冷たく、冷たい空気を暖かくすることができる
熱交換器を利用した｢第一種換気｣を採用しています。
熱交換器による換気とは、
外気を熱交換器の中で室内の温度に近づけてから室内に取り入れ、
なるべく熱を捨てることなく新鮮な空気を取り入れて汚れた空気だけ排出できる効率の良い仕組みです。
そのようなメリットに加え、さらに温度だけでなく湿度も交換して給排気ができる｢全熱交換式｣を私たちは採用しています。
断熱・気密性能が十分な状態でも給気口から暑い空気または冷たい空気が進入し、排気口から暑い空気や涼しい空気が排出されてしまうため、冷暖房を使用しても快適な温度に保つことが難しくなります。
外部の気温が暑くても、寒くてもその外気は室温の温度に近づけてから室内に取り入れられるため、新鮮な空気が室内へ送り込まれます。
気密をしなければ換気は有効に機能せず、気密は断熱性能を発揮するためには欠かすことができません。
また、換気についても断熱性能を高くしたうえで行う必要があります。
快適な空間をつくるために、断熱・気密・換気の3つは切れない関係で、
どれかひとつだけが優れていても意味がありません。
私たちはそのバランスを保った住宅をつくり、お客さまと一緒に考えます。
せっかくの新築で後悔をしないためにも、住宅の性能をしっかりと考えておくことはとても大切なことなのです。